彼女を10日でオトします

「じゃあ、キス、して」

 声帯をねじりぼった最後の一滴、みたいな声でたすくさんは囁いた。

 心臓を無理矢理ひっくり返したような感覚に襲われた。痛くて、苦しい。

 血液が充分に回らないのか、もしくは過剰な速さで廻っているのか、指先がチリチリする。微弱の電流が流れているみたい。

「い、嫌」

 そそそそうよ! 嫌よ!!
 全く、何を言っているのかしら、この人は!!

「じゃあ、俺からする」

 な、なんで!? なんでそうなるの?

 たすくさんは私の頭の横に手を突いて、顔を傾けながらゆっくりと近づく。
 
 !!
 なんだろ、これ、ド、ドラマかなんかで見たことあるシュチュエーションじゃない?
 傍観する立場なら、「キャー」って盛り上がる場面なのに、当事者だと焦りと血圧、心拍数が上限なしに上がるのね!!

 私、間違いなく死ぬわよ、このまま接触したら!!
 心臓発作か、脳溢血か、女子高生が絶対かかっちゃいけない病で死ぬ自信あるわ!

 うっわ。唇を見る薄く開けられた目って、色気が半端じゃないのね!