一歩進むごとに、私の腕を掴むたすくさんの手の力が強くなる。
「たすくさん」
無視しているのか、それとも本当に聞こえないのか、たすくさんの後姿に変化はうかがえない。歩みに合わせて、明るい色の髪がふわりふわりと空気を取り込むのみ。
「たすくさん、痛いわ」
もう一度、その後頭部に声をぶつける。
すると、一際強く腕を引っ張られ、たすくさんの脇を半周する。体が移動する早さに追いつけない三つ編みが一呼吸おいて、待ってよ、と追いかけてくる。自分の顔が歪むのがわかった。
気が付くと、廊下の壁を背にたすくさんと向き合っていた。
「ちょっと――」
――何するのよ、という言葉は、喉の奥に引っかかって出てこなかった。
たすくさんのまあるい目がくっと細くなる。私の目を容赦なく見つめる視線は、光の範囲をしぼったみたいに、さらに力強いものになった。
なんて……目で見てくるのよ。
至近距離で真一文字に引かれた唇が、一旦薄く開き、何か決意したかのように、また、閉じられた。
たすくさんは、肩を大きく上下させながら、空気を吸って、吐いた。
「俺じゃ……だめなの?」
そんな顔、しないでよ。
なんでそんな……今にも泣きそうな顔するのよ。
睨めないじゃない……。
「ねえ、キョン、答えてよ」
「誰も……だめなんて、言ってないわよ」
「たすくさん」
無視しているのか、それとも本当に聞こえないのか、たすくさんの後姿に変化はうかがえない。歩みに合わせて、明るい色の髪がふわりふわりと空気を取り込むのみ。
「たすくさん、痛いわ」
もう一度、その後頭部に声をぶつける。
すると、一際強く腕を引っ張られ、たすくさんの脇を半周する。体が移動する早さに追いつけない三つ編みが一呼吸おいて、待ってよ、と追いかけてくる。自分の顔が歪むのがわかった。
気が付くと、廊下の壁を背にたすくさんと向き合っていた。
「ちょっと――」
――何するのよ、という言葉は、喉の奥に引っかかって出てこなかった。
たすくさんのまあるい目がくっと細くなる。私の目を容赦なく見つめる視線は、光の範囲をしぼったみたいに、さらに力強いものになった。
なんて……目で見てくるのよ。
至近距離で真一文字に引かれた唇が、一旦薄く開き、何か決意したかのように、また、閉じられた。
たすくさんは、肩を大きく上下させながら、空気を吸って、吐いた。
「俺じゃ……だめなの?」
そんな顔、しないでよ。
なんでそんな……今にも泣きそうな顔するのよ。
睨めないじゃない……。
「ねえ、キョン、答えてよ」
「誰も……だめなんて、言ってないわよ」



