残りの段差をのぼりながら、ポケットからキーケースを取り出す。
スナップをあけると、しゃらんと音をたてて鍵達が顔を出した。
一番左がアパートの、その隣が実家の、三番目には、四箇所中二箇所不在じゃが寂しいじゃないの、という理由で取り付けた学校のマスターキー。
昼寝場所確保の為、それなりに活躍していたコイツだけれど、こんなにも役に立つ日が来るなんて、ねえ。
ガ、ガガ、と鍵穴に差し込む。
「なんで、鍵、持ってるの?」
いつの間にか俺の背後に立っていたキョンが、俺の手元を覗き込む。
「いいでしょお。すごく便利なの」
ノブを握り、手首を捻って押し開けた。
ドアの外の風は冷たい。
けれども、力強い陽射しが、俺達を歓迎しているみたいだ。
「空が、近いわ」
俺の後についで屋上に出たキョンちゃんの第一声。
「あ、一応、鍵、しめておいて」
キョンは、ドアに向き直り、ノブについているつまみを回した。
貴重とも言える従順な後ろ姿。無性に抱きしめたくなった。
幾分強い風に、キョンのスカートが広がる。
どうどう。
意志とは別の生き物の衝動を必死で押し込めた。か、勘弁してちょうだい。
振り返ったキョンは、なぜか恥ずかしそうに俯いて、立ちすくむ。
俺は、どうすればいいんだろう。
スナップをあけると、しゃらんと音をたてて鍵達が顔を出した。
一番左がアパートの、その隣が実家の、三番目には、四箇所中二箇所不在じゃが寂しいじゃないの、という理由で取り付けた学校のマスターキー。
昼寝場所確保の為、それなりに活躍していたコイツだけれど、こんなにも役に立つ日が来るなんて、ねえ。
ガ、ガガ、と鍵穴に差し込む。
「なんで、鍵、持ってるの?」
いつの間にか俺の背後に立っていたキョンが、俺の手元を覗き込む。
「いいでしょお。すごく便利なの」
ノブを握り、手首を捻って押し開けた。
ドアの外の風は冷たい。
けれども、力強い陽射しが、俺達を歓迎しているみたいだ。
「空が、近いわ」
俺の後についで屋上に出たキョンちゃんの第一声。
「あ、一応、鍵、しめておいて」
キョンは、ドアに向き直り、ノブについているつまみを回した。
貴重とも言える従順な後ろ姿。無性に抱きしめたくなった。
幾分強い風に、キョンのスカートが広がる。
どうどう。
意志とは別の生き物の衝動を必死で押し込めた。か、勘弁してちょうだい。
振り返ったキョンは、なぜか恥ずかしそうに俯いて、立ちすくむ。
俺は、どうすればいいんだろう。



