「貴兄のわからずや!!」
と、怒声が廊下にまで響いてきたのは、煙草なんかやめなきゃ良かったと、本気で後悔していたときだった。
キョンの声に一瞬で思考回路が停止する。
「私が聞きたいのは、そんな理屈じゃない!!
男だったら、私の気持ちぐらい正面から受け止めなさいよ!」
そして、一拍置いて、キョンはさらに続ける。
「そんなんだからね、お姉ちゃんの尻に敷かれるのよ!!」
そんな身も蓋も無い発言が聞こえるや否や、保健室の扉が勢い良く開いた。
唖然とする俺の目に写ったのは、眉を吊り上げ歯を食いしばった仁王立ちのキョン。
キョンは俺を見つけた途端、俺の瞳を力強く見据えて――。
涙を零した。
白い喉を見せて震える唇で空気を大きく飲み込む。
ブレザーの腕で涙を雑に拭うと、くるりと振り返った。
「貴兄の弱虫っ!」
保健室の中にいるであろう貴史ちゃんに怒鳴りつけた。
そしてキョンは、俺の前を走り抜けた。
みつあみを右へ左へ大きく揺らして。
と、怒声が廊下にまで響いてきたのは、煙草なんかやめなきゃ良かったと、本気で後悔していたときだった。
キョンの声に一瞬で思考回路が停止する。
「私が聞きたいのは、そんな理屈じゃない!!
男だったら、私の気持ちぐらい正面から受け止めなさいよ!」
そして、一拍置いて、キョンはさらに続ける。
「そんなんだからね、お姉ちゃんの尻に敷かれるのよ!!」
そんな身も蓋も無い発言が聞こえるや否や、保健室の扉が勢い良く開いた。
唖然とする俺の目に写ったのは、眉を吊り上げ歯を食いしばった仁王立ちのキョン。
キョンは俺を見つけた途端、俺の瞳を力強く見据えて――。
涙を零した。
白い喉を見せて震える唇で空気を大きく飲み込む。
ブレザーの腕で涙を雑に拭うと、くるりと振り返った。
「貴兄の弱虫っ!」
保健室の中にいるであろう貴史ちゃんに怒鳴りつけた。
そしてキョンは、俺の前を走り抜けた。
みつあみを右へ左へ大きく揺らして。



