「なんなのよ、たすくさんは」
キョンちゃんは、独り言のように吐き捨てた。
「キャンペーンの一環だよ」
「貴兄に告白するのが!?」
うわ。すっごい怒ってる。
「そう」
「貴兄を困らせるだけじゃない」
キョンは、なおも、どすどす。階段を下りる。
最後の一段を降りたところでキョンの腕を掴んで、ぐるり、振り向かせた。
「困らせてやれよ。一回くらい困らせたってバチ、あたらねえよ」
キョンは、俯いた。たぶん、俺に返す言葉をさがしてる。
俺が掴んだままのキョンの腕から、みるみる力が抜けていくのがわかった。
「キョン!! ぶつかってこいよ。
そんでフラれちまえ、キョンなんか。
だいたいさあ、何にそんな遠慮してんのよ」
ぱっと、顔が上がる。
キョンは、眉尻を下げて、眼鏡の下の瞳を潤ませた。
噛みしめている唇が小刻み震えている。
やばい。「行くな」って言葉を必死で飲み込んだ。
今すぐ、ここで、抱きしめてしまいたい。「嘘だよ、伝えなくたっていい」って言えたら、どんなに楽だろう。
「燈子さんに遠慮してんの?
んなもん、好きになっちまったんだから仕方ないじゃん」
自分の声じゃないみたいだ。
キョンちゃんは、独り言のように吐き捨てた。
「キャンペーンの一環だよ」
「貴兄に告白するのが!?」
うわ。すっごい怒ってる。
「そう」
「貴兄を困らせるだけじゃない」
キョンは、なおも、どすどす。階段を下りる。
最後の一段を降りたところでキョンの腕を掴んで、ぐるり、振り向かせた。
「困らせてやれよ。一回くらい困らせたってバチ、あたらねえよ」
キョンは、俯いた。たぶん、俺に返す言葉をさがしてる。
俺が掴んだままのキョンの腕から、みるみる力が抜けていくのがわかった。
「キョン!! ぶつかってこいよ。
そんでフラれちまえ、キョンなんか。
だいたいさあ、何にそんな遠慮してんのよ」
ぱっと、顔が上がる。
キョンは、眉尻を下げて、眼鏡の下の瞳を潤ませた。
噛みしめている唇が小刻み震えている。
やばい。「行くな」って言葉を必死で飲み込んだ。
今すぐ、ここで、抱きしめてしまいたい。「嘘だよ、伝えなくたっていい」って言えたら、どんなに楽だろう。
「燈子さんに遠慮してんの?
んなもん、好きになっちまったんだから仕方ないじゃん」
自分の声じゃないみたいだ。



