彼女を10日でオトします

 何も反応が無くなったキョンの腕を掴んだ。

「キョン、大丈夫? そんなに痛いの?
保健室、連れて行ってあげる」

 そう、声を張り上げてから、無理矢理キョンを引っ張りあげる。
 腕に糸がついた操り人形みたいな格好で立ち上がる。

「キョン、歩けない?
だったら、俺、だっこしてあげるけど」

 また大きな声をあげる俺に、キョンは強烈な睨みをプレゼントしてくれた。

 おお、こわ。くわばら、くわばら。

「歩けるわよ」

 語気を強めてそう言うと、俺の腕を振り払って扉にむかって歩き出した。
 どすどすってぐあいに。その後ろ姿は、特撮映画の怪獣を思わせる。がおーん。

「遠慮しなくていいのにい」

 キョンの後を追って教室を出る。

 背中の方で、教室がざわめき立つのを感じた。

 ちょっと、やりすぎちゃったかしら?

 でもいいか。色恋沙汰の噂は大歓迎よ。相手がキョンちゃんなら。