お姉さんは、にっこり微笑んでカウンターの中に戻っていった。
コーヒーサイフォンがコポコポ音を立てる。
カウンター内の椅子に腰をかけたお姉さんは、カウンターの下からペーパーバックを取り出した。
かさり。ページをめくる音。
俺って目がいい。改めて実感しちゃったり。お姉さんの視線が、文字を追って上下に往復するのがよくわかる。
しばらく、金の額縁を想像しながら絵になるお姉さんを見つめていたら、背中で乾いたベルの音を聞いた。
「いらっしゃい」
落ち着いた声。お姉さんは、ペーパーバックをカウンターの上に伏せて、顔を上げた。
「あの、先生は……今、大丈夫ですか?」
先生? 何のこっちゃ。
若い女の人の声。
「ええ。どうぞ」
お姉さんは、カウンターの中でにっこり微笑む。
女の人は、俺が座っている席を横切って、店の奥に向かった。
びしっとスーツを着込んだOL風のその人は、深い茶色の扉を小さく開けて中に入った。
その扉、トイレじゃなかったの?
コーヒーサイフォンがコポコポ音を立てる。
カウンター内の椅子に腰をかけたお姉さんは、カウンターの下からペーパーバックを取り出した。
かさり。ページをめくる音。
俺って目がいい。改めて実感しちゃったり。お姉さんの視線が、文字を追って上下に往復するのがよくわかる。
しばらく、金の額縁を想像しながら絵になるお姉さんを見つめていたら、背中で乾いたベルの音を聞いた。
「いらっしゃい」
落ち着いた声。お姉さんは、ペーパーバックをカウンターの上に伏せて、顔を上げた。
「あの、先生は……今、大丈夫ですか?」
先生? 何のこっちゃ。
若い女の人の声。
「ええ。どうぞ」
お姉さんは、カウンターの中でにっこり微笑む。
女の人は、俺が座っている席を横切って、店の奥に向かった。
びしっとスーツを着込んだOL風のその人は、深い茶色の扉を小さく開けて中に入った。
その扉、トイレじゃなかったの?



