彼女を10日でオトします


「ムシはナシよ、キョンちゃん。俺、悲しいじゃない」

 そう言って、苦笑いするたすくさんに、私は慌てて言葉を返す。

「あ、ごめんなさい。考え事を……」

 そんな私の瞳をじーっと見つめる。

「ふうん……。
よし!! キョン、考え事はここでおしまい。
バトンタッチね。
こっからは、俺が考える番」

 たすくさんは、自分が座っている真向かいの席に私を薦め、

「キョンの部屋で俺が言ったこと覚えてる?
さあさあ、話してもらおうじゃないの。
キョンが泣いてた理由」

 驚くほど単刀直入に話を切り出した。

 話すつもりではいたけれど……どこから、どう話していいのか……。
 こんなこと、今まで一回も口に出したことがないから、正直、わからない。

 なかなか口が開かない私にたすくさんは、手を伸ばして私の頭に乗せた。

「じゃあね、誘導尋問に切り替えますので、素直に答えてくださいね」

 ぽん、ぽん、と私の頭の上で、手のひらを弾ませた。