分厚いガラスのドアを押すと、カランカランと乾いた音。ドアの上部にベルが目に入った。
中に入ってドアを閉める。再びベルの音が響いた。
程よい暖房、ぐっとボリュームを絞ったジャズ。木を基調とした、落ちついた風合いの店内。
しかし、まあ。何故、店員がいないんだ? 営業放棄? 強盗してくださいの合図? フロアを見渡しても、カウンターの中を覗いても人っ子一人いない。
こういう場合、俺はすぐに帰るか、「すいませーん」と声を張り上げるかするんだけど、どちらもしたくない。
適当な席に座って、ジャズのトランペットに耳を傾けていた。
居心地がいい、というのはこういう事をいうのかね。
椅子の背もたれも、テーブルの高さも、ジャズも、室温も、雰囲気も、まるで俺のためにあつらえたかのように“しっくり”する。
幼かった俺の過ちや、それに伴う莫大な後悔、未来への不安や、現実から逃げている事実。
そんなものは、たいしたことじゃないのよ、とでもいうような温かい空気がここにはあるような気がした。
俺は、おもむろに目を閉じて、この空間に身を任せた。
中に入ってドアを閉める。再びベルの音が響いた。
程よい暖房、ぐっとボリュームを絞ったジャズ。木を基調とした、落ちついた風合いの店内。
しかし、まあ。何故、店員がいないんだ? 営業放棄? 強盗してくださいの合図? フロアを見渡しても、カウンターの中を覗いても人っ子一人いない。
こういう場合、俺はすぐに帰るか、「すいませーん」と声を張り上げるかするんだけど、どちらもしたくない。
適当な席に座って、ジャズのトランペットに耳を傾けていた。
居心地がいい、というのはこういう事をいうのかね。
椅子の背もたれも、テーブルの高さも、ジャズも、室温も、雰囲気も、まるで俺のためにあつらえたかのように“しっくり”する。
幼かった俺の過ちや、それに伴う莫大な後悔、未来への不安や、現実から逃げている事実。
そんなものは、たいしたことじゃないのよ、とでもいうような温かい空気がここにはあるような気がした。
俺は、おもむろに目を閉じて、この空間に身を任せた。



