「ごめんなさい。怒った……わよね」
眉をハの字にして、不安げに俺の目の奥を覗くキョン。
その、弱弱しい声のトーンと表情が何だか、意外で、可愛らしくて、不意に抱きしめたくなった。
自分でも不思議だ。同じ事をコットンやヒデに言われたら、たぶん、怒ってた。
ヒデだったら殴ってるだろうし、コットンだったらまた泣かせてたんじゃないかな。
これも、惚れた弱みってやつなんだろうか。
怒りが湧いてこない。
「もう、ぷんぷんだね」
こんな説得力のかけらもない嘘も、キョンを抱き寄せるためだけの口実で。
キョンは、「あ」と小さく悲鳴をあげて、俺の腕に収まった。
「キョン、俺、謝るよ。
すぐには、到底無理かもしれないけど、いつか必ず」
胸に伝わる振動で、キョンが確かに頷いたのがわかった。
俺もさ、よくお姉さん方に「高校生と思えなぁい」って言われてきたけど、キョンとは全然違うと思う。
俺の場合は、金払いとか、まあ、なんつうの、ある意味寝技? みたいなことに対してのことなんだろうけど、キョンは違う。
どうしてこんなに『悟って』いるんだろうか。
大切なものが何か、ってことを知っているんだろうか。
「そうね、キョンちゃんが俺の隣でブーケトスした後にでも謝ろうかしら」
「全く謝る気ないじゃない」
俺の肩におでこを押し付けたまま、声を殺してくすくす笑う。
「あるある。それくらい近い将来に謝るよって言ってんのぉ」
「馬鹿ね」
ああ、俺、キョンのこれに嵌ったわ。『馬鹿ね』が頭の中でリピートされる。
俺を受け入れてくれている証拠のような気がする。
……気がするだけじゃないといいんだけどねえ。
眉をハの字にして、不安げに俺の目の奥を覗くキョン。
その、弱弱しい声のトーンと表情が何だか、意外で、可愛らしくて、不意に抱きしめたくなった。
自分でも不思議だ。同じ事をコットンやヒデに言われたら、たぶん、怒ってた。
ヒデだったら殴ってるだろうし、コットンだったらまた泣かせてたんじゃないかな。
これも、惚れた弱みってやつなんだろうか。
怒りが湧いてこない。
「もう、ぷんぷんだね」
こんな説得力のかけらもない嘘も、キョンを抱き寄せるためだけの口実で。
キョンは、「あ」と小さく悲鳴をあげて、俺の腕に収まった。
「キョン、俺、謝るよ。
すぐには、到底無理かもしれないけど、いつか必ず」
胸に伝わる振動で、キョンが確かに頷いたのがわかった。
俺もさ、よくお姉さん方に「高校生と思えなぁい」って言われてきたけど、キョンとは全然違うと思う。
俺の場合は、金払いとか、まあ、なんつうの、ある意味寝技? みたいなことに対してのことなんだろうけど、キョンは違う。
どうしてこんなに『悟って』いるんだろうか。
大切なものが何か、ってことを知っているんだろうか。
「そうね、キョンちゃんが俺の隣でブーケトスした後にでも謝ろうかしら」
「全く謝る気ないじゃない」
俺の肩におでこを押し付けたまま、声を殺してくすくす笑う。
「あるある。それくらい近い将来に謝るよって言ってんのぉ」
「馬鹿ね」
ああ、俺、キョンのこれに嵌ったわ。『馬鹿ね』が頭の中でリピートされる。
俺を受け入れてくれている証拠のような気がする。
……気がするだけじゃないといいんだけどねえ。



