彼女を10日でオトします

 金属が小さくぶつかり合う音が止んで間もなく、ガーっと轟音が響いた。

 跳び箱の隙間から、光がさす。その隙間から覗くと、1年男子が三人。
 
 体育館には、すでに生徒が集まっているらしく、太い声の話し声と笑い声が聞こえてきた。

 キョンの耳にも入ったのか、キョンの体は強張りをみせた。

 三人は、扉の真正面に設置しておいた、バスケッドボールの籠に一直線。

 よおし、そのまま籠ごと外へ出せ、と頭の中で呟く。

 3人は、ダルそうな声で雑談を繰り返しながら、キャスター付きのそれを扉の前まで移動させて持ち上げた。

 浮いた籠は段差を越え、ガシャンと音を立てながら着地すると、再びガー、と扉が閉まった。開放厳禁。それがココのルールなのだ。

 そして、倉庫の中は、再び暗転。

 扉の外で、体育館の床をキャスターが転がり、鉄製の籠が振動する音がする。

 幸運なことに、籠は倉庫の扉からだいぶ離れた場所に置かれたみたいだった。

「ふう。キョン、しばらくは大丈夫だよ」

「はあ、寿命が縮んだわ。
大丈夫だったら、この腕どけて頂けないかしら」

「え? どうして?」

「こんなに密着しなければいけない理由なんてないでしょう」

「あるある。ほら、ここって埃っぽいでしょ?
こうやって俺の肩に顔押し付けておけば、埃吸わなくて済む――」

「結構よ」

 キョンは、不機嫌な声でピシャリと言い放った。
 ま、キョンが何を訴えたところで、離すたっしーじゃござぁせん。