「キョーン」
俺は跳び箱の後ろで立ち上がった。胸から上が晒される。
俺とキョンの距離は跳び箱を挟んで2mほど。対面。
「!!」
キョンは目を丸くして、体をビクンと派手に弾ませた。
か、かわいい。
くしゃみを我慢した甲斐があったね。
「な……っ、た、たすくさん?」
前のめりになって、バチバチとまばたきしながらずり下がった眼鏡を両手で上げる。
「イエース。アイム、たっしー。
よっ、と」
俺は、跳び箱に両手をついて、横向きに置いてある跳び箱を飛び越えた。
「ど、どうして、たすくさんが、ここにいるのよ……?」
「んー、キョンに会いにきたの」
「会いにって……、鍵!!
そうよ、鍵かかってたじゃない!!
南京錠をはずしてここに入ったのよ!?」
「だろうねえ。キョンを脅かそうと思って、そうしといたから」
慌てふためくキョンとに距離を縮めながら、俺は大袈裟に肩をすくめる。
キョンが立っている斜め後方に手を伸ばして、蛍光灯のスイッチを押した。
蛍光灯は、点滅を示し、やがて倉庫内をあかるく照らし出す。
キョンは、眩しさに目を細めながらも、俺から視線を外さない。
「そんなこと出来るわけ――」
ないでしょ、を遮ってキョンの手を取った。
包帯に巻かれた手のひら。
「キョン、昨日は、ごめんなさい」
キョンは、ぐっと、堪えるような顔をして、
「……昨日、何度も聞いたわよ。
たすくさんは悪くない。私が勝手に火傷しただけよ」
と、小さな声で呟いた。
「悪いのは、全部俺だよ。
キョン、痛い?」
少し間をあけて、「平気」とだけ俺に告げた。
ああ、嘘ついてる。
嘘、じゃないか。俺に気を使ってるんだ。
ぎこちなさが伝わってくる。
俺の手の上に置かれた、キョンの手から。
俺は跳び箱の後ろで立ち上がった。胸から上が晒される。
俺とキョンの距離は跳び箱を挟んで2mほど。対面。
「!!」
キョンは目を丸くして、体をビクンと派手に弾ませた。
か、かわいい。
くしゃみを我慢した甲斐があったね。
「な……っ、た、たすくさん?」
前のめりになって、バチバチとまばたきしながらずり下がった眼鏡を両手で上げる。
「イエース。アイム、たっしー。
よっ、と」
俺は、跳び箱に両手をついて、横向きに置いてある跳び箱を飛び越えた。
「ど、どうして、たすくさんが、ここにいるのよ……?」
「んー、キョンに会いにきたの」
「会いにって……、鍵!!
そうよ、鍵かかってたじゃない!!
南京錠をはずしてここに入ったのよ!?」
「だろうねえ。キョンを脅かそうと思って、そうしといたから」
慌てふためくキョンとに距離を縮めながら、俺は大袈裟に肩をすくめる。
キョンが立っている斜め後方に手を伸ばして、蛍光灯のスイッチを押した。
蛍光灯は、点滅を示し、やがて倉庫内をあかるく照らし出す。
キョンは、眩しさに目を細めながらも、俺から視線を外さない。
「そんなこと出来るわけ――」
ないでしょ、を遮ってキョンの手を取った。
包帯に巻かれた手のひら。
「キョン、昨日は、ごめんなさい」
キョンは、ぐっと、堪えるような顔をして、
「……昨日、何度も聞いたわよ。
たすくさんは悪くない。私が勝手に火傷しただけよ」
と、小さな声で呟いた。
「悪いのは、全部俺だよ。
キョン、痛い?」
少し間をあけて、「平気」とだけ俺に告げた。
ああ、嘘ついてる。
嘘、じゃないか。俺に気を使ってるんだ。
ぎこちなさが伝わってくる。
俺の手の上に置かれた、キョンの手から。



