洗面所、鏡の中の俺は、やっぱり頬を腫らしてした。
手のひらを寄せると、じんわり熱い。
喧嘩なんかとは、別種類の痛み。
誰かが誰かを想うしるし。
冷やしてしまうのが、なんだかもったいないような気がして、じっと鏡の中を見つめる。
「いやん。俺って実はMなのかもお」なんて冗談も言う気にもなれず、じっと。
ほんと、どうしちゃったんだろうね、俺。
一番痛いはずのほっぺより、ずっとずっと、胸が軋むなんて。
嫌われたかもしれないキョンに、会わすツラなんてないはずなのに、こんなに会いたいなんて、ね。
キョンと会う……口実だったら、ある。
ちゃんと、謝らないと。
キョンの目を見て、できることなら抱きしめて「ごめんなさい」って素直に言おう。
もし、何か聞かれたら、全部曝け出そう。
それから、キョンのそばにいよう。許してくれなくても、嫌がられても。
せめて、手の火傷が癒えるまで。
もう一度、左頬に手をやると、やっぱり、暖かかった。
手のひらを寄せると、じんわり熱い。
喧嘩なんかとは、別種類の痛み。
誰かが誰かを想うしるし。
冷やしてしまうのが、なんだかもったいないような気がして、じっと鏡の中を見つめる。
「いやん。俺って実はMなのかもお」なんて冗談も言う気にもなれず、じっと。
ほんと、どうしちゃったんだろうね、俺。
一番痛いはずのほっぺより、ずっとずっと、胸が軋むなんて。
嫌われたかもしれないキョンに、会わすツラなんてないはずなのに、こんなに会いたいなんて、ね。
キョンと会う……口実だったら、ある。
ちゃんと、謝らないと。
キョンの目を見て、できることなら抱きしめて「ごめんなさい」って素直に言おう。
もし、何か聞かれたら、全部曝け出そう。
それから、キョンのそばにいよう。許してくれなくても、嫌がられても。
せめて、手の火傷が癒えるまで。
もう一度、左頬に手をやると、やっぱり、暖かかった。