「こういう時だけ『にいちゃん』ってか?」
「お願い……やめて……。
最後の……、最後の一枚なの……」
か細く、消え入りそうな声で、のどかさんが呟く。
さいごのいちまい……。
「随分、大袈裟だね。
ただの燃やし忘れでしょ?
それとも、のどか……まさか、隠してた、ってことはないよね?」
のどかさんの頼りない肩が、小さく跳ねた。
「にいちゃん……お願い……」
「こんなもの、俺達には必要ない」
たすくさんは、ライターの蓋を開けた。
キン、と甲高い独特の金属音が鼓膜を刺激する。
たすくさんの親指が、ライターの腹を擦ると同時に、火がともった。
写真の角を温かい色が染める。
か……ぞく……。
揺らめきながらシンクの中へ落ち行く。
その瞬間、私は床を蹴って走り出していた。私の目には、スローモーションで身をくねらす写真しか映っていなかった。
「お願い……やめて……。
最後の……、最後の一枚なの……」
か細く、消え入りそうな声で、のどかさんが呟く。
さいごのいちまい……。
「随分、大袈裟だね。
ただの燃やし忘れでしょ?
それとも、のどか……まさか、隠してた、ってことはないよね?」
のどかさんの頼りない肩が、小さく跳ねた。
「にいちゃん……お願い……」
「こんなもの、俺達には必要ない」
たすくさんは、ライターの蓋を開けた。
キン、と甲高い独特の金属音が鼓膜を刺激する。
たすくさんの親指が、ライターの腹を擦ると同時に、火がともった。
写真の角を温かい色が染める。
か……ぞく……。
揺らめきながらシンクの中へ落ち行く。
その瞬間、私は床を蹴って走り出していた。私の目には、スローモーションで身をくねらす写真しか映っていなかった。



