「お二人、兄妹なの?」
「そう。俺に似て可愛いでしょ。
妹の、のどか」
そう言われて見れば、顔は似てるわ。
「初めまして、こんな兄貴をもって可哀相な妹ののどかです」
微笑みながら、軽く頭を下げるのどかさん。なんというか、優雅な仕草。
「こちらこそ初めまして。たすくさんの顔見知りの在原響子です」
「っておーい。
俺、泣いちゃうよ?」
「どうぞ、ご勝手に」
と、私とのどかさんの声が重なった。
「それにしても、ご兄妹だったのね。私、てっきり、彼女かと思ったわ」
「やっだぁ、キョンさん、止めて。
そんなに趣味悪くないって。
私は、キョンさんが兄貴の彼女かと思ったよ」
「冗談。私だってそんなに趣味悪くないわ」
「俺、ホントに泣きそう。寒いし。特に心が。
早く中入ろうよ」
そう言って、とぼとぼ門に向かう戸部たすく。
「そうだね。つーか、兄貴、ダウン着てる癖に寒いとか言うな」
のどかさんも後に続く。
えっと……。
「た、たすくさん! ちょっと待って!
中って――」
思わず掴んでしまった反対の腕で戸部たすくは「ん」と言いながら、前方を指差した。もちろん、ご立派な門方面を。
「俺の実家」
実家って! 妹ののどかさんが、そこから出て来たんだから、まあ、考えればそうなんだろうけど……実家って!
こんなご立派な――。
「キョン、昨日、俺のこと知りたいって言ってたじゃん。
早くおいで」
にっと白い歯を見せて笑う戸部たすく。
いや、ちょっと待って!
あんたって、何者なのよ!?
「そう。俺に似て可愛いでしょ。
妹の、のどか」
そう言われて見れば、顔は似てるわ。
「初めまして、こんな兄貴をもって可哀相な妹ののどかです」
微笑みながら、軽く頭を下げるのどかさん。なんというか、優雅な仕草。
「こちらこそ初めまして。たすくさんの顔見知りの在原響子です」
「っておーい。
俺、泣いちゃうよ?」
「どうぞ、ご勝手に」
と、私とのどかさんの声が重なった。
「それにしても、ご兄妹だったのね。私、てっきり、彼女かと思ったわ」
「やっだぁ、キョンさん、止めて。
そんなに趣味悪くないって。
私は、キョンさんが兄貴の彼女かと思ったよ」
「冗談。私だってそんなに趣味悪くないわ」
「俺、ホントに泣きそう。寒いし。特に心が。
早く中入ろうよ」
そう言って、とぼとぼ門に向かう戸部たすく。
「そうだね。つーか、兄貴、ダウン着てる癖に寒いとか言うな」
のどかさんも後に続く。
えっと……。
「た、たすくさん! ちょっと待って!
中って――」
思わず掴んでしまった反対の腕で戸部たすくは「ん」と言いながら、前方を指差した。もちろん、ご立派な門方面を。
「俺の実家」
実家って! 妹ののどかさんが、そこから出て来たんだから、まあ、考えればそうなんだろうけど……実家って!
こんなご立派な――。
「キョン、昨日、俺のこと知りたいって言ってたじゃん。
早くおいで」
にっと白い歯を見せて笑う戸部たすく。
いや、ちょっと待って!
あんたって、何者なのよ!?



