「私だって、あなたに負けないくらい嘘つきよ」
戸部たすくは、顔を上げた。
予想通りの驚いた顔。
「えー、キョンって嘘つけるのお?」
「失礼ね。私なんか、物心ついたときから嘘ついてるんだから」
「ずーっと?」
「ずっと」
「それって、貴史ちゃんをすきなこと?」
「まあね」
すねた様子で、窓に向かって「ふうん」と呟いた戸部たすく後頭部に「それだけじゃないけど」とすぐに声をかけてしまったのは、どうしてなんだろう。
その疑問は深く追求しちゃいけない気がして、まっさきに頭の外へ追い出したけれど。
「キョン、俺、やっぱり、今すぐちゅーしたい」
はあ?
「やっぱりってなんなのよ」
「頭の中で多数決とってみたの。
そしたら、49対1。
圧倒的多数で『今すぐチュウ』が可決されました」
あなたの頭の中には、50人も何が住みついてるんですか。もしくは、50匹。
「絶対お断り」
「キョンちゃん、ミンシュシュギのルール知らないの?
ちゃんと則りなさい」
「何が民主主義よ。たすくさんのさじ加減じゃない」
「貴史ちゃんには、簡単に初ちゅー奪わせた癖に。えこひいき反対」
「意識自体無いころの話じゃでしょ」
「むー。今日の目標は、キョンの唇!
これで決まり!」
「あら、そう」
今日の目標は、唇の死守。
これで決まり。
戸部たすくは、顔を上げた。
予想通りの驚いた顔。
「えー、キョンって嘘つけるのお?」
「失礼ね。私なんか、物心ついたときから嘘ついてるんだから」
「ずーっと?」
「ずっと」
「それって、貴史ちゃんをすきなこと?」
「まあね」
すねた様子で、窓に向かって「ふうん」と呟いた戸部たすく後頭部に「それだけじゃないけど」とすぐに声をかけてしまったのは、どうしてなんだろう。
その疑問は深く追求しちゃいけない気がして、まっさきに頭の外へ追い出したけれど。
「キョン、俺、やっぱり、今すぐちゅーしたい」
はあ?
「やっぱりってなんなのよ」
「頭の中で多数決とってみたの。
そしたら、49対1。
圧倒的多数で『今すぐチュウ』が可決されました」
あなたの頭の中には、50人も何が住みついてるんですか。もしくは、50匹。
「絶対お断り」
「キョンちゃん、ミンシュシュギのルール知らないの?
ちゃんと則りなさい」
「何が民主主義よ。たすくさんのさじ加減じゃない」
「貴史ちゃんには、簡単に初ちゅー奪わせた癖に。えこひいき反対」
「意識自体無いころの話じゃでしょ」
「むー。今日の目標は、キョンの唇!
これで決まり!」
「あら、そう」
今日の目標は、唇の死守。
これで決まり。



