「だから何?」
「だから、簡単に嘘ついちゃう。
俺ってさあ、また、嘘つくのに才能があるみたいでみんな信じてくれちゃうんだよねえ」
「自慢?」
「いんや、反省。
夕べ、ベッドの中で考えてたの。
キョンにだけは嘘ついちゃいけないんじゃないかって」
「なんで?」
「面倒くさいからさ、俺のこと誰にも信じてほしくないのよ、基本。
でもさあ、何でだろ、キョンには信じてほしいのね」
戸部たすくは、天井を仰いで、それから、耳の後ろを小さく掻きながら続けた。
「俺、たぶん、好き。キョンのこと、たぶん、すごく好きなんだと思う。
それをね、信じてほしいんだ」
告白と言えるのだろうか、と思えるほど曖昧な言葉なのにすごくストレートな感じがした。
それは、『好き』と言ったときの戸部たすくの瞳が力強かったせいだと思う。
「信じてと言われて、信じられるようなものじゃないわ」
こんなこと、言うべきじゃなかった、きっと。
戸部たすくの「ははっ」と小さく、乾いた笑いを耳にして、更に強く後悔した。
「そうだよね。ま、今のは、単なる俺の気持ちってことで」
戸部たすくはまた笑う。
傷つけてしまったんじゃないかって、その笑顔が儚く見えたから。
私って、冷たい女なのかもしれない。
「そんで、重大なお知らせ。
俺、金に困ってません。宿題、めちゃめちゃやったことあります。
嘘付いてました。ごめんなさい」
酷く真面目くさった言い方に、思わず笑ってしまった。
子供みたいに、ぺこりと頭を下げる戸部たすくは、今、どんな顔をしているんだろう。
「だから、簡単に嘘ついちゃう。
俺ってさあ、また、嘘つくのに才能があるみたいでみんな信じてくれちゃうんだよねえ」
「自慢?」
「いんや、反省。
夕べ、ベッドの中で考えてたの。
キョンにだけは嘘ついちゃいけないんじゃないかって」
「なんで?」
「面倒くさいからさ、俺のこと誰にも信じてほしくないのよ、基本。
でもさあ、何でだろ、キョンには信じてほしいのね」
戸部たすくは、天井を仰いで、それから、耳の後ろを小さく掻きながら続けた。
「俺、たぶん、好き。キョンのこと、たぶん、すごく好きなんだと思う。
それをね、信じてほしいんだ」
告白と言えるのだろうか、と思えるほど曖昧な言葉なのにすごくストレートな感じがした。
それは、『好き』と言ったときの戸部たすくの瞳が力強かったせいだと思う。
「信じてと言われて、信じられるようなものじゃないわ」
こんなこと、言うべきじゃなかった、きっと。
戸部たすくの「ははっ」と小さく、乾いた笑いを耳にして、更に強く後悔した。
「そうだよね。ま、今のは、単なる俺の気持ちってことで」
戸部たすくはまた笑う。
傷つけてしまったんじゃないかって、その笑顔が儚く見えたから。
私って、冷たい女なのかもしれない。
「そんで、重大なお知らせ。
俺、金に困ってません。宿題、めちゃめちゃやったことあります。
嘘付いてました。ごめんなさい」
酷く真面目くさった言い方に、思わず笑ってしまった。
子供みたいに、ぺこりと頭を下げる戸部たすくは、今、どんな顔をしているんだろう。



