「天野クンも、俺のこと知ってるはずなんだけどなあ。
覚えてない? 一回、俺んち来たでしょ。
親父さんに連れられて」
「はあ? いつだよ?
何のために――」
「天野クンいくつくらいだったかなあ?
俺はね、そのとき5歳。
俺の誕生パーティーで、おもちゃの山に埋もれる俺んとこに親父さんと挨拶に来たじゃない」
思い出を懐かしむように笑顔で話す戸部たすくとは対照的に、アマノさんの顔は面白いくらいにみるみる青くなっていく。
「あ、思い出してくれた?」
「おまっ……あなた、戸部――」
なにこの、態度の違いは。こういうを手のひらを返したように、って言うのかしら。
「しー」
戸部たすくは、苦い顔でアマノさんの唇に人差し指を当てた。
「すいませ――」
「しー、だって。
あーあ、だから、嫌なの。こういうこと言うと、みんな謝るんだもんなあ。
俺、ごくごく普通のコーコーセイなのに」
「いや、でも……」
「もういいってばあ。
キョンを誘拐しないんだったら、それでいいんだから、ね?」
カッチンコッチンになって去る、天野サンの背中を見ていて疑問が募る。
戸部たすくって――、何者?
覚えてない? 一回、俺んち来たでしょ。
親父さんに連れられて」
「はあ? いつだよ?
何のために――」
「天野クンいくつくらいだったかなあ?
俺はね、そのとき5歳。
俺の誕生パーティーで、おもちゃの山に埋もれる俺んとこに親父さんと挨拶に来たじゃない」
思い出を懐かしむように笑顔で話す戸部たすくとは対照的に、アマノさんの顔は面白いくらいにみるみる青くなっていく。
「あ、思い出してくれた?」
「おまっ……あなた、戸部――」
なにこの、態度の違いは。こういうを手のひらを返したように、って言うのかしら。
「しー」
戸部たすくは、苦い顔でアマノさんの唇に人差し指を当てた。
「すいませ――」
「しー、だって。
あーあ、だから、嫌なの。こういうこと言うと、みんな謝るんだもんなあ。
俺、ごくごく普通のコーコーセイなのに」
「いや、でも……」
「もういいってばあ。
キョンを誘拐しないんだったら、それでいいんだから、ね?」
カッチンコッチンになって去る、天野サンの背中を見ていて疑問が募る。
戸部たすくって――、何者?



