「馬鹿は死んでもなおらないってよく言うけれど、
たすくさん、いっぺん試してみたら?」
「ビョーキはなおるかなあ?」
「え? 死んだら病気も何もないじゃない」
怪訝な視線を感じる。
確かにね、死んだらビョーキも何もないよね。だって、煙になっちゃうんだもん。
「でも、俺、ああいうのは、もうこりごりなんだよねぇ」
「え?」
予想通りのびっくり顔のキョンに笑顔を送る。
これは、嘘じゃない。今まで誰にも言ったことないけど、本当のことなんだ。
なんで、俺は、今、キョンに言ったんだろう。
……もう1度言ってみようか。
「もうこりごりなの。鋭利な冷たいステンレスがぶちぶちってね、細胞を真っ二つにしていくあの感覚。
だから、キョンのお願いは聞けないなあ」
「べ、別にお願いとかじゃ……」
キョンは、俯いて、手の中にあるダスターをもじもじともてあそぶ。
「……ごめんなさい。そんなつもりじゃ……」
眉をひそめて、唇をかむ仕草が可愛すぎる。
キョンが俺の言葉を待っているのは、わかっているけれど、もう少し見ていたい。
俺って、すんげえタチ悪いね。
でもさ、言いたくないこと、初めてキョンに言ったんだよ。
だからさ、もう少し、その顔みせてよ、ね?
たすくさん、いっぺん試してみたら?」
「ビョーキはなおるかなあ?」
「え? 死んだら病気も何もないじゃない」
怪訝な視線を感じる。
確かにね、死んだらビョーキも何もないよね。だって、煙になっちゃうんだもん。
「でも、俺、ああいうのは、もうこりごりなんだよねぇ」
「え?」
予想通りのびっくり顔のキョンに笑顔を送る。
これは、嘘じゃない。今まで誰にも言ったことないけど、本当のことなんだ。
なんで、俺は、今、キョンに言ったんだろう。
……もう1度言ってみようか。
「もうこりごりなの。鋭利な冷たいステンレスがぶちぶちってね、細胞を真っ二つにしていくあの感覚。
だから、キョンのお願いは聞けないなあ」
「べ、別にお願いとかじゃ……」
キョンは、俯いて、手の中にあるダスターをもじもじともてあそぶ。
「……ごめんなさい。そんなつもりじゃ……」
眉をひそめて、唇をかむ仕草が可愛すぎる。
キョンが俺の言葉を待っているのは、わかっているけれど、もう少し見ていたい。
俺って、すんげえタチ悪いね。
でもさ、言いたくないこと、初めてキョンに言ったんだよ。
だからさ、もう少し、その顔みせてよ、ね?



