シャッ。
強引に腕を引っ張られてつれてこられた先は、カーテンで隔離されたベッド。
カーテン1枚隔てた向こうには、貴兄も、琴実さんとヒデさんもいる。
まあ、平気か、と思っていると、
「さ、さ。座って」
と、ベッドに腰をかけるようにと促す戸部たすく。
肩を押されて、仕方なく座る。戸部たすくは、当たり前のように隣に座った。
「キョンちゃん、こっちむいて」
両肩を掴まれて捻りを加えられた。
強制的に向かい合う形に。
「近いわよ」
「えー? 聞こえなあい」
耳、ぶっ壊れてるのかしら。20センチ足らずの至近距離で聞こえないとは。
「ねえ、キョン、キスしてやってもいいよ」
はあ?
ついさっき、貴兄の(お姉ちゃんの、とも言う)唇を奪った変態が、いけしゃあしゃあとよく言うわ。
「お断りよ」
「ふうん。したくないの?」
「当たり前で――」
「貴史ちゃんと間・接・ちゅう」
私にやっと聞こえるくらいのほとんど息みたいな声で囁く。
今、なんて――?
固まる私をニヤリと見下ろし、貴兄に重ねた唇を中指で撫でた。
「本当は、貴史ちゃんとしたくてしたくて、しょうがないんでしょ?」
完璧にバレてる……。
どうしよう……。
「な、なんのつもりよ」
駄目だ。私の声、震えてる。
強引に腕を引っ張られてつれてこられた先は、カーテンで隔離されたベッド。
カーテン1枚隔てた向こうには、貴兄も、琴実さんとヒデさんもいる。
まあ、平気か、と思っていると、
「さ、さ。座って」
と、ベッドに腰をかけるようにと促す戸部たすく。
肩を押されて、仕方なく座る。戸部たすくは、当たり前のように隣に座った。
「キョンちゃん、こっちむいて」
両肩を掴まれて捻りを加えられた。
強制的に向かい合う形に。
「近いわよ」
「えー? 聞こえなあい」
耳、ぶっ壊れてるのかしら。20センチ足らずの至近距離で聞こえないとは。
「ねえ、キョン、キスしてやってもいいよ」
はあ?
ついさっき、貴兄の(お姉ちゃんの、とも言う)唇を奪った変態が、いけしゃあしゃあとよく言うわ。
「お断りよ」
「ふうん。したくないの?」
「当たり前で――」
「貴史ちゃんと間・接・ちゅう」
私にやっと聞こえるくらいのほとんど息みたいな声で囁く。
今、なんて――?
固まる私をニヤリと見下ろし、貴兄に重ねた唇を中指で撫でた。
「本当は、貴史ちゃんとしたくてしたくて、しょうがないんでしょ?」
完璧にバレてる……。
どうしよう……。
「な、なんのつもりよ」
駄目だ。私の声、震えてる。



