な、何か、私、悪いことでも言ったかしら。
なんとなくここは、素直に「嫌い」と言っては、まずいような気がする……。
「き、嫌いというか……そう! 生理的に受け付けないのよ。特に、そのウルウルが」
ピシッ。戸部たすくから、そう聞こえた――ような。
固まる戸部たすく。
あれ? フォローしたつもり……。
「ぎゃははははは! キョンちゃん、イイよ! たすく、お前、完っ全に見込みないって!!」
ヒデさんは、腕を伸ばして、固まったままの戸部たすくの肩をバシバシ叩き、
「ははは、せ、せ、生理的に、む、無理って……もう、勘弁してえ! お腹がぁ」
琴実さんは、机に突っ伏して、天板をバシバシ叩いた。手、痛くないのかしら。
ちょっとよく解らないけれど、とにかく凄い迫力だわ、二人とも。
「ははっ……まさか、ここまでとは。
キョンちゃん、ここまで嫌がるなんて、他に誰か好きな人でもいるの?」
ひとしきり笑い終えたヒデさんの質問に、私は、どきりとした。
好きな人……。
「いるよ」
その声は、吐き捨てるような、突き刺すような、鋭い口調だった。
言ったのは、私じゃなくて――隣でスプーンを摘み上げた、戸部たすく。
なんとなくここは、素直に「嫌い」と言っては、まずいような気がする……。
「き、嫌いというか……そう! 生理的に受け付けないのよ。特に、そのウルウルが」
ピシッ。戸部たすくから、そう聞こえた――ような。
固まる戸部たすく。
あれ? フォローしたつもり……。
「ぎゃははははは! キョンちゃん、イイよ! たすく、お前、完っ全に見込みないって!!」
ヒデさんは、腕を伸ばして、固まったままの戸部たすくの肩をバシバシ叩き、
「ははは、せ、せ、生理的に、む、無理って……もう、勘弁してえ! お腹がぁ」
琴実さんは、机に突っ伏して、天板をバシバシ叩いた。手、痛くないのかしら。
ちょっとよく解らないけれど、とにかく凄い迫力だわ、二人とも。
「ははっ……まさか、ここまでとは。
キョンちゃん、ここまで嫌がるなんて、他に誰か好きな人でもいるの?」
ひとしきり笑い終えたヒデさんの質問に、私は、どきりとした。
好きな人……。
「いるよ」
その声は、吐き捨てるような、突き刺すような、鋭い口調だった。
言ったのは、私じゃなくて――隣でスプーンを摘み上げた、戸部たすく。



