「こらこら、お前ら、あまり響ちゃんをからかうな」
後ろから、またもやのほほんとした声。貴兄。
「響ちゃん!?」
琴実さんと……おそらく、ヒデさんが勢いよくハモった。
ああああ!!
「馬鹿! ちゃんと考えて名前を呼んでよ!
私と貴兄は、他人ってことになってるんだか――」
「たかにい!?」
琴実さんとヒデさんのハモり再び。
しまった! と思って口を押さえたけれど、時すでに遅し、のようで。
視界の隅で、戸部たすくがお腹を抱えてうずくまっていた。
野郎……笑いこらえてやがる。
「へえ、そういうことね」
と、向かいに座るヒデさんが、コロッケパンを租借しながら頷く。
はあ。
保健室の中央、机同士をくっつける形で並べられたそこで尋問にあった、私と貴兄。
「つまりは、真田先生とキョンちゃんは、義理のキョウダイってわけだ」
そう言って、斜向かいでカップラーメンをすする琴実さん。
学校でカップラーメンを食べる子、初めて見たわ。
「隙アリ! から揚げもーらい」
「ちょっと!」
隣から、手が伸びて私のお弁当から、から揚げを摘みあげる戸部たすく。
私の制止も虚しく、安易に戸部たすくの口の中に消えた。
「ひょんなに食べひゃいなら、口移しひひゃれほうか?」
……何で『口移し』だけしっかり言えてるのよ。
後ろから、またもやのほほんとした声。貴兄。
「響ちゃん!?」
琴実さんと……おそらく、ヒデさんが勢いよくハモった。
ああああ!!
「馬鹿! ちゃんと考えて名前を呼んでよ!
私と貴兄は、他人ってことになってるんだか――」
「たかにい!?」
琴実さんとヒデさんのハモり再び。
しまった! と思って口を押さえたけれど、時すでに遅し、のようで。
視界の隅で、戸部たすくがお腹を抱えてうずくまっていた。
野郎……笑いこらえてやがる。
「へえ、そういうことね」
と、向かいに座るヒデさんが、コロッケパンを租借しながら頷く。
はあ。
保健室の中央、机同士をくっつける形で並べられたそこで尋問にあった、私と貴兄。
「つまりは、真田先生とキョンちゃんは、義理のキョウダイってわけだ」
そう言って、斜向かいでカップラーメンをすする琴実さん。
学校でカップラーメンを食べる子、初めて見たわ。
「隙アリ! から揚げもーらい」
「ちょっと!」
隣から、手が伸びて私のお弁当から、から揚げを摘みあげる戸部たすく。
私の制止も虚しく、安易に戸部たすくの口の中に消えた。
「ひょんなに食べひゃいなら、口移しひひゃれほうか?」
……何で『口移し』だけしっかり言えてるのよ。



