「離してください。戸――」
頭にのっていた顔が、いつの間にか、私の顔の横に位置していて……にっこり。
目が笑ってないですよ、オニイサン。
おもむろに細まる目が「いいの? はぐむぐ」を物語る。
はっきり言ってホラー。テレビの中からはい出てくる、髪が長いお姉さんもびっくりのホラーだわ。
「キョン、最初から言ってごらん?」
抑揚のない声で、ゆっくりとかみ砕くように囁く。
夢の国の動く椅子が備わった、ハイテクマンションもびっくりのホラーよ。
「は、離してください……た、たすくさん」
戸部たすくは、にまっ、と笑って、腕のロックを解除してくれた。
「よくできました。いいこ、いいこ」
と、私の頭をしきりに撫でる。
ま、負けた……。
「ちゃんと手なずけてんじゃん」
「ううん、まだ調教中」
放心状態の私の頭の上を許しがたい言葉が飛び交う。
私は猛獣か!
頭にのっていた顔が、いつの間にか、私の顔の横に位置していて……にっこり。
目が笑ってないですよ、オニイサン。
おもむろに細まる目が「いいの? はぐむぐ」を物語る。
はっきり言ってホラー。テレビの中からはい出てくる、髪が長いお姉さんもびっくりのホラーだわ。
「キョン、最初から言ってごらん?」
抑揚のない声で、ゆっくりとかみ砕くように囁く。
夢の国の動く椅子が備わった、ハイテクマンションもびっくりのホラーよ。
「は、離してください……た、たすくさん」
戸部たすくは、にまっ、と笑って、腕のロックを解除してくれた。
「よくできました。いいこ、いいこ」
と、私の頭をしきりに撫でる。
ま、負けた……。
「ちゃんと手なずけてんじゃん」
「ううん、まだ調教中」
放心状態の私の頭の上を許しがたい言葉が飛び交う。
私は猛獣か!



