そんなことを思いながらホールに足を踏み入れた。
「わぁ…」
舞踏会は私が想像していたよりもずっときらびやかだった。
当たり前だが人がたくさんおり、ルキ様の目に留まろうと着飾った女性が多くいる中、有名な貴族男性もたくさんいる。
私がホールに入ったことによって静かになったことには気づかずに進んでいく。
目立たないだろう壁際に立った時…。
「国王様、王妃様、王子様の入場になります」
会場が静寂に包まれた。
国王様と王妃、アンナ様が入場される。
「待たせてしまってすまない。
本日はルキのためにお集まりいただき感謝する。
心行くまで楽しんで行ってくれ。」
私に気付いたアンナ様がほほ笑んでくれる。



