「身体的な特徴? そうね、髪は茶色で長かったわ。大きな濃い色のサングラスをかけていたからその印象が強くて顔ははっきり覚えてないわ」
「そうよね。美人だったのは分かるんだけど。あ、でも髪は凄く手入れさせていてキレイだったわよね」
「それに、モデルみたいな体型だったよね」
大した特長を覚えてないらしい3人に、はぁと溜め息を漏らす。
自分達の置かれた状況も忘れ、キャッキャと騒ぐ彼女達に、もういいや、これ以上は無駄かもと思った。
「本当、役に立たないわね。その上、反省もして無いみたいだし」
やれやれと首を左右に振ったツッキーは、興ざめた顔で大きな溜め息を落とした。
「「「···」」」
ツッキーから漏れ出た殺気に、3人は固まる。
どうやら、自分達の置かれてる立場を思い出したらしい。
「今後、私に構わないって約束してくれたら、もう行っていいですよ」
彼女達に何かを求めてる訳じゃないし、これ以上の話し合いは無駄でしかない。
「や、約束するわ。貴方が攫われたって聞いて肝が冷えたし」
「···悪かったわ。私達犯罪を犯したいわけでもないもの」
「貴方が無事で良かったと思ってるし」
反省の色を見せた3人の性根は腐ってないみたいで、少しホッとした。
「もし、同じような事があれば野良猫が追い詰めるから、頭に刻んでおけよ」
低い声で脅したのは、今まで黙ってこちらを見てた周防君で、物凄い形相で彼女達を睨んでた。
「今回は、神楽ちゃんが間に入ってくれたから、この程度で済んだって事、分かっておいて欲しいね」
佐田君も普段とは違う剣の籠もった視線を彼女達に向けている。
「神楽は許すのかも知れないけど、私は許してないから、そこのところ覚えておいてね」
黒い笑みで微笑んだツッキーが、一番怖かったよ。
「わ、分かってるわよ」
それでも気丈に返事したのは、3年生のプライドだったのかも知れないね。
「じゃあ、行っていいですよ。お疲れ様でした」
感情の籠もらない声でそう告げると、彼女達はこちらに会釈して足早に去っていった。
その背中を見ながら思ったのは、何だか疲れたなぁって事。
「やっぱり小者だったわねぇ。まぁ、裏で糸を引いていた人間が居るってのが分かったのは···ちょっとは収穫かしらね」
腕を組み、首をキコキコ鳴らしたツッキーが、私へと目を向けた。
ツッキーの言い回しが、始終辛辣すぎて苦笑いが浮かぶ。
「多分、ツッキーから見たら大抵の人は小者だと思うよ」
彼女に認められるのは、よほどの人間だろうな。
「あら、神楽は認めてるわよ」
心外だとばかりに私を見たツッキーに、
「うん、それは嬉しい」
と返した。
ツッキーは味方で居てくれると、本当に心強いんだよね。
敵に回ることなんて怖くて考えられないけどね。
「そうよね。美人だったのは分かるんだけど。あ、でも髪は凄く手入れさせていてキレイだったわよね」
「それに、モデルみたいな体型だったよね」
大した特長を覚えてないらしい3人に、はぁと溜め息を漏らす。
自分達の置かれた状況も忘れ、キャッキャと騒ぐ彼女達に、もういいや、これ以上は無駄かもと思った。
「本当、役に立たないわね。その上、反省もして無いみたいだし」
やれやれと首を左右に振ったツッキーは、興ざめた顔で大きな溜め息を落とした。
「「「···」」」
ツッキーから漏れ出た殺気に、3人は固まる。
どうやら、自分達の置かれてる立場を思い出したらしい。
「今後、私に構わないって約束してくれたら、もう行っていいですよ」
彼女達に何かを求めてる訳じゃないし、これ以上の話し合いは無駄でしかない。
「や、約束するわ。貴方が攫われたって聞いて肝が冷えたし」
「···悪かったわ。私達犯罪を犯したいわけでもないもの」
「貴方が無事で良かったと思ってるし」
反省の色を見せた3人の性根は腐ってないみたいで、少しホッとした。
「もし、同じような事があれば野良猫が追い詰めるから、頭に刻んでおけよ」
低い声で脅したのは、今まで黙ってこちらを見てた周防君で、物凄い形相で彼女達を睨んでた。
「今回は、神楽ちゃんが間に入ってくれたから、この程度で済んだって事、分かっておいて欲しいね」
佐田君も普段とは違う剣の籠もった視線を彼女達に向けている。
「神楽は許すのかも知れないけど、私は許してないから、そこのところ覚えておいてね」
黒い笑みで微笑んだツッキーが、一番怖かったよ。
「わ、分かってるわよ」
それでも気丈に返事したのは、3年生のプライドだったのかも知れないね。
「じゃあ、行っていいですよ。お疲れ様でした」
感情の籠もらない声でそう告げると、彼女達はこちらに会釈して足早に去っていった。
その背中を見ながら思ったのは、何だか疲れたなぁって事。
「やっぱり小者だったわねぇ。まぁ、裏で糸を引いていた人間が居るってのが分かったのは···ちょっとは収穫かしらね」
腕を組み、首をキコキコ鳴らしたツッキーが、私へと目を向けた。
ツッキーの言い回しが、始終辛辣すぎて苦笑いが浮かぶ。
「多分、ツッキーから見たら大抵の人は小者だと思うよ」
彼女に認められるのは、よほどの人間だろうな。
「あら、神楽は認めてるわよ」
心外だとばかりに私を見たツッキーに、
「うん、それは嬉しい」
と返した。
ツッキーは味方で居てくれると、本当に心強いんだよね。
敵に回ることなんて怖くて考えられないけどね。


