後ずさった場所は、運悪く壁。
行き場のない壁が、私を不安にさせる。


「あの、通して下さい!
私、会いたい人がいるんです!」

この世にあるのはーーーー 一途な"想い"だけ。


「通して下さい!
私はーーーー私には会いたい人がいるの!
失礼しますっ、きゃっ!」

「待ってよ〜、まじ好き系なんだけどっ。
まじ、可愛い〜!!
俺達、仕事明けなんだ。

飲みに行こうよ?」





嫌だーーーーっ。




組まれた肩。

知らない男の人ーー。


それだけでも、怖いのにーーーー。


派手に近づいて離さない。

嫌がってるのに。。


「離してッ!」


響いた廊下ーーーー。


掴まれた腕に口を抑えられた。


「ちょっと静かにしてよ!
まじ、バレたらまずいからッ!」

やだっ、離して!!


「早く、更衣室でいいから連れ込めばわかんねーよ!」



やだーーーー。



二人がかりで、抑え込まれーーーー


私は更衣室に、引きずられるように入った。