「仕方ないわな、とりあえずコイツどうする?」


俺は、名前も知らないヒョロヒョロしたヤツを指さした。

未だに、地べたに寝ているヤツを見た。

「ーー、案内して貰うわ。
亡霊のとこにな「俺もーーっ。」


俺も行こうとしたけど、留まった。


龍が余りに穏やかに笑うからーー
何も言えなくなったんだ。




「お前にはあげはがいる。
傍であげはを守ってやれ。
自分の後始末ぐらい、1人で出来るわ。
じゃあな。

よいしょ、軽っ。
じゃあ、行くなっ」



龍は、身軽なそいつを肩に担いでーー

背中を見せた。


「ーー龍!!」




ーー!!

あげはーー。


「あのね、怪我しないで。
気をつけて。
白と待ってるからっ。
今日は、龍の好きなハンバーグにする!」






あげはーー。


あげはの想いが、また龍になんてーー不安を持つとか、バカみたいに妬いた。

だけどーーそんなん勘違いで。



「じゃあ、直ぐに帰ってくるから」


ハンバーグと聞いた龍の喜んだ顔。

不安なんかないーー。



もう不安なんかないーー。


「行ってくるわ、白っ。
あげはを頼む」


いつだって、あげはを守る。

龍神の姫だからじゃない。





「ーー龍、大丈夫かな?

白、ハンバーグの材料買って帰らない?」




喧嘩最強!!

なんにも負けを取らない龍だから、心配は要らない。

だけどやっぱり気になるしーー


「龍!!」


龍を呼んだ瞬間ーー振り向いた龍に手帳型のある物を投げた。


パシッ、とキャッチした龍。




「お守りっ、なんかあったら呼んで!」


龍にお守りって必要あるか?って思ったけどーー、一応念には念を。