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泣かないって決めたんだよな。

笑顔でハロウィンをやり過ごせたら幸せだったんだと思う。
だけどその笑顔は、偽りで。

「ーー嫌われたかと思った」




そんな声が聞こえて、数滴ーー
カラカラの地面を濡らした。

泣いてる?

長い髪で、見えないあげはの表情。

だけど、カラカラの砂を3滴ほど濡らしたのは雨?

いや、涙だった。




「ーー笑顔でいる魔法、教えてもらったのに、うまく表情作れなくてっ。
結局、バレちゃうし。。

楽しいはずの文化祭、涙で終わる予定じゃなかったのに、笑顔で居たかったのにっ」


知ってるよ。
君が頑張って居てくれたのに、気づいてた。

それにーーーー。



君の頬を撫でた。





「ーーメイク可愛かった。
泣くと落ちるよっ」




笑顔になれる魔法はーー
ハロウィンだけに留まらず、、


メイクして自信を付けたあげはの堂々とした姿に魅せられていた。


「ーーメイクには、魔法があるって教えてもらった」


そう、だよね。

だけどさ。


俺はあげはを抱きしめた。



「ーーそれ、自分だけの前だけにして」




ーー?
分からず首を傾げたあげは。

だよね、分からないよな。




「ーーーーいいの、分からなくて」


分からなくていい。

ただ、ぎゅっ、と抱き締めてその涙を拭ってあげた。