優しい優しい白の声に、
勇気をもらった。

躊躇わない、前に前に進むあたしはーー
堂々として、壇上に上がった。

壇上から見下ろす景色は、1面ーー
ハロウィンで。

カラフルな、ポップカラーな、1面に心が弾んだ。

ハロウィンには魔法がある。




「月乃あげはさんの告白には、2名います。
上がって」




少なくない?、とそんな声が聞こえて。

「恐れ多くて断念したやついるらしいよ」


そんな言葉が、聞こえた。



まさか、まさか、恐れ多くてーーって
あたし、嫌われてる?

静かに、過ごしてきたはずなのに。



「あ、雄心くんーーー、せいくんっ」


壇上に上がってきた2人は




あたしの知ってる人。


大好きなクラスメイト。


「あげはちゃんが好きです」



雄心くんは、真っ赤になりそう言った。

雄心くんの、想いは分かってるし。

だけど、、


あたしにはーー


壇上から見下ろすそこに、愛しい君がいる。




「ーーあげはちゃん。
言われたく無かったらーー
付き合って俺と」



え?
聞き間違い?


せいくんの表情に、なんの嘘もない。

言われたく無かったら?
まさかーーーー

冷や汗が流れる。


「え、せい。
なんの話?」



すぐそばにいた雄心くんの耳には届いてしまったらしい。

「あーーー、俺さっ」



ーー!!


やだ、言わないで!!



せっかく作った笑顔が、


崩れちゃうから!!











ドンッ!










「いたっ、な、何?」




頭上から何かが降ってきた。



それは、せいくんの頭にヒットした。


しかも、雑誌の角。

絶対痛い。