少しだけーーーー
早まる鼓動。


「やっぱりなんでもない」



心拍が急に穏やかになる。
だけどーーーーー

せいくんの目は、白の背中を睨んでいた。

嫌な予感は気のせいにならない。
あたしはーーー
事故とはいえ、せいくんとキスをした。

あれをせいくんが白に言えば、
この恋も終わるのか。。

嫌だ。

無かったことには出来ないけど。
ハロウィンだけは、笑顔で居たいよ神様。


「あーげーはちゃん。
知ってる?
ハロウィンには、魔法があるんだって。
あげはちゃんの場合、笑顔になれる魔法だよ」


不意に肩に置かれた手は優しくて

「ユウくん」


緊張が解けて
あたしは笑顔になった。