ーーーーーーーうん、これが撮影か。


分かるよ、分かる。

だけどガチガチなあたし。

とは、対象的なのは、堂々としたあげちゃんで。

さっきの、女の子女の子のあげちゃんからは想像出来ないぐらい、彼女は堂々としていた。


明るいフラッシュの前のあげちゃんは、やっぱり可愛い。


対象的にガチガチなあたしとは、大違い。

「あげちゃん、あたしやっぱりさぁーーー」


あたしは、あたしに自信が無い。


特別可愛いわけじゃない。

特別才能がある訳でもない。


「大丈夫!!

メイクには魔法があるんだよ!
可愛い服を着たら、お姫様に変身だって出来る。

これーーーお守りに持ってて!」



渡されたのは、綺麗な花柄のリップクリーム。


お守りーーー。


あげちゃんの優しさ。


たったひとりで立つカメラの前。


だけどもう、何も怖くない。




あたしは、フラッシュの前ーーーー



堂々と笑顔を、向けた。