傷ついた顔の君。


優しいのが悪いーー?

いや、悪いのは俺。



「ーーーー悪かったよ。
好きだよ。


あげはちゃんが、好き」





傷つけてばかりの自分が今ーー。




変わろうとしている。



「ーーーーえ、せいくんっ。
好きって」


嘘じゃないーー。




「優しい君が悪いんじゃない。


優しい君にキスした俺が悪い」



いつも、嫌われ者の俺なんか誰も好きにならない。


「ありがとう、せいくん」


ーーーー?


ありがとう?

誰にも俺の気持ちんかわからない。
腫れ物に扱う様な冷えた瞳。
見下す冷たい瞳。


それがいつもだったのに。
目の前の彼女は、やんわり、と笑った。


そして"ありがとう"と口にした。





「好きをくれてありがとうっ。
でも、ごめんなさい。
あたしにはとても大切な人がいるから、気持ち受け取れなくて、ごめんなさいっ」


優しく君は振るけれどーーー


「ある意味逆効果だよ。
こんな扱い受けたの初めて。
やっぱり、諦めるのは無理だからーー」



そう口にしたのは

君の耳元で。


「やっ!」


びっくりしたのは俺の方。


「あげはちゃんの弱点みっけ!」


そう、普通に笑えたのは初めて。