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マジかよ。

その男は一人、不満を零していた。


いつから、あんなやつ。


「せい!
睨み過ぎ。
仕方ない諦めよう。
あげはちゃんが、幸せならいいじゃないか」


仕方ないーー?


聞き分けなんか無い。
ただむかつくだけ。

「雄心って犬みたい。
聞き分け良すぎてむかつくわ!!」



そう、クラスメイトの雄心。


誰からも好かれる雄心とーーーー






「大丈夫?

雄心くん。気にしない方がいいよ。
あの人空気読めなすぎ!!」



嫌われ者の俺。





当然、俺があげはちゃんに好かれる訳は無い。



わかってる。

わかってるんだ。



君が俺に気づいたーー。



「せいくん?」




隣には嫌いなアイツ。




飛び出した廊下。


ムカつく、ムカつく。

走った廊下。


だってーーー隣にいる知り合ったばかりの奴に大切な者奪われたんだから。