「ふむっ、きっと俺がいるからだ。
霊感の強い奴のそばにいると見えるらしいよ」

ミナミの、霊感体質のせいのため見えるならば。

「ミナミ、今すぐ消えてくれ!!」

焦ってるシュウは、ミナミの首を絞め上がる真似をする。


「まじ、仲間ャル気かよ。
ひどいな。大丈夫、、なんもしないから」


なんもしない?

確かに隅っこにいるだけで、何も語らない少年はずっと俯いたままだ。

「ーー女の子、みませんでしたか?」

ーー!!


やっと口にした言葉はそんな、言葉。

彼の学ランも、嫌に古く汚されていた。


「居たよ、女の子。
君の大切な人?」


ミナミが、口にした言葉に頷いた彼。


ひどく悩む顔に、戸惑う俺達。


「ーー彼女は、長くなかった。
寿命が迫っていた。

長くない命の合間にーーどうしても彼女しかありえないって思った。


だから、俺はーー 一緒に彼女と、死を選んだ。


大好きな彼女、たった一人で逝かせたくなかった。





逢いたいーーーー」



少年は、彼女が好き。




きっと彼女も、、好きな筈。


なんで、逃げたのか。