「ーーーーマジでここで雨宿りする気?」


暗い暗い海の家には、光がなく、小さな蝋燭一本が、頼りになるが、その光でさえーー、、今は。



「黒、やめれ。
怖いよ」


蝋燭の火の前で、黒の顔面ドアップに殴りたくなるのを必死で耐えた。


「雰囲気出るかと思って。
肝試し的な」

いらない。
いらないから。

「ーーミナミとシュウは居ないわけ?
まさか、逃げた?「いや、俺の車はあるよ。
どこかにいる筈。」


居ない二人に、少しばかり不安が、募るが。

雨が止むまで雨宿り。

ピカピカ!


ゴロゴロ!!


雷は、未だに鳴り止まない。

その度に、身体が跳ね上がるのを、見た。
あげはの身体を抱き締めてーー
"大丈夫"ーー、ということで、精一杯。


過ぎ去れ、稲妻。

居なくなれ幽霊達よ。

そう願いを込めてーー。