本部長に突っ込んでる一方で、冷静な私が呟く

――この話、課長にとっては大チャンスだ

途端に胸がズキンとした

いやだ、けど
私はどうしたらいいんだろう……

気持ちが落ち込みそうになった時、

「……美季?」

心配そうな夕香里の声がして、我に返った

――いけない、いけない!
夕香里は私がショックを受けると分かってるから
いきなり上から押し付けられるよりは、自分が伝えることで少しでも衝撃を和らげようとしてくれてるんだ

だから心配させちゃいけないよね
ダイジョブって笑って見せなきゃ!

「…う、うん、なんかビックリしたけど、大丈夫だよ
教えてくれてありがとね」

「無理してない?」

「っそんなことないよ!しっかしさすが課長だね」

「…美季、ちゃんと二人で話し合って、よく考えるんだよ」

「うんそうする」

そして結局、夕香里にあれこれ心配されるうちにオーナーの奥さんに午後の始業時間まで
猶予がないことを指摘され、私達は慌ててランチを済ませた

会社へ向かう道中も情報や助言をもらいつつ、早足でオフィスに戻った


正直ショックなことが多すぎて、頭の中が混線状態
顔に出ないようにするだけで精いっぱいだ

さすがに今日ばかりは定時で上がることにした