紳士に心を奪われて

そう思った男は、後悔の念に苛まれた。
そして男は狂った。


なぜそうなったのか、理解が追いつかなかった加瀬は、曖昧な言葉で伝えることになった。
そのせいで、果歩は加瀬を睨むが、加瀬は見て見ぬふりをした。


男は幸せを感じたまま永遠の眠りについてもらうことに、快感を覚えたらしい。


漫画のような出会い方、一目惚れ。
そうすることで女性は幸福となる。


それがわかったら、男は女性を殺害した。


「……狂ってる」
「でも先輩、見抜いてたんでしょ?男がそういう狙いだったって」
「まあ……ね」


わかっていたから、果歩はそのような演技をした。


「なんでわかったんですか?」


果歩は顔を逸らす。


果歩がわかったのは、自分が相手に見惚れたからだ。
防犯カメラの映像で犯人はわかっていたのに、まんまと引っかかり、刺された。


そんなこと言えるはずがなかった。


「……そんなことより、加瀬、女装は?」


今度は加瀬が黙ってしまった。


果歩が捕まえた犯人の取り調べを初めてすぐ、あのときにぶつかった相手が犯人だったとわかった。


人と出会ったからと、すぐに逃げてしまった。


そんなこと言えるわけがなかった。


お互いに隠し、笑顔を取り繕った。





皆様、曲がり角と甘い罠にはご注意を。