「あー泣かした!蓮!!
弟がごめんね?
こんな弟だけど一途だから心配要らないよ。
とりあえず、お詫びに好きな服たくさんプレゼントするで、許して!!」


え、弟?

しかもーー全部好きなのプレゼント!!?


涙が未だに止まらない私に、差し出されたハンカチ。


無愛想だけど、エスコートした男の人から頂いた。



本当は、優しい人なのかな?

無愛想だけどーー。


「あ、レイ優しい。
妬いちゃう!!なんてね」


「バカっ、早く涙拭きなっ」


レイさんは、私の頭にハンカチをふわりと置いた。


受け取ろうと、手を伸ばした時ーー

強引かつ、蓮さんの袖で拭われた涙。


なんて、強引な拭き方。


「あらま、蓮。
あんた乱暴なんだから。
あ、そうだ。
服の前にメイクしてからにしょ!
久しぶりに腕が鳴るわ!!
可愛い子のコーディネート!!
あげはちゃん、以来だわねぇ」



あげはちゃんーー?



まるで、懐かしむその笑顔に、ドキドキした胸。


「…では、これにてメイクショーを開始します!!」



あげはさんは、店内で響く声で
そう叫んだ。


え、何?
メイクショー?


人が集まってきたけど。