そしてーーーー肩書きなんか関係ないと言った先生は、2人の男を車内から放り投げた。


体格の大きな先生は、2人を冷めた目で見下ろした。余りの冷たに、2人は震え上がっていた。

「ーーーーそんなに、殴られたい?」

威圧感は、半端なくーーーー。

「「いえっ、す、すいません!」」



さっきまでの気迫は、どこへやら彼らは逃げようと走り出した。



「あのさ、もしーーーーまた今後ゆあになんかしたら、ぶっ飛ばすからなっ!」

足を止めた2人は、立ち止まったまま足元がガタガタ震えた。


私は車内の中、ただ外の様子を見ていただけ。

「はい、すいません!!」



逃げてく、2人。
だけど不意に1人が足を止めた。


「あ、あのその車、俺ので。
フロントガラスとか、修理代っ「あ!?」


ひっ!?
先生が、めちゃくちゃ怖い。


と、言うか今の状況でフロントガラスの修理代はないと、思う。



「あんたいくつ?」

いきなり聞いた年。

「22歳ですがーー」

それでも怖いのか、敬語は忘れない男。

「ーーーーじゃあ、うちの生徒じゃないならタップリ仕置きができるわけだ?
俺は、好きな奴には優しいけど、男には冷たいからなっ、覚悟しろよ!!」




逃げる男を、掴まえてその先は見えない。

固く目を閉じてしまったーーーー。