「あんたーーーー、ゆあのこと」


白衣の先生、貴方は"先生"で、私は"生徒"。


煌の戸惑う声が、聞こえた。

近づく先生に、私の肩は震えた。
やだ……怖い。


スッ、と私を隠すように煌が前に出た。

煌ーーーー。
小さかった煌が、数倍大きく頼もしい。




「ーーーーそれ以上、ゆあに近づくな!!」




煌が怒鳴った同時に、チャイムが鳴った。



「ーーーー私、教室に帰りますっ」

今がチャンス。

私は煌の手を引いて駆け出した。


だけどーーーー



グイッーーーー!?


強い力が、私の腕を掴んだ。


須賀先生?

「須賀先生、離して下さいっ」
声が震える。

力強い手が怖いーーーー。




「ゆあに触るな!
行くぞ、ゆあっ!」

無理矢理、離された手。


先生は、睨んでいた。

背中に感じるひんやり感。
だけど振り向けないーー。

怖いーーーー。







「先生が、怖いよーーーーッ、煌っ」




私は、誰も居なくなった廊下で
煌にその身を預けたーーーー。