「ゆあが1番大切な存在は、俺じゃない。
悔しいけど、彼氏より親しい友人でも無い。
ゆあは、赤松が1番大切だよ」


よく、分からない。


彼氏より、俺ーー?



「ーー幼なじみ以上に、大切なもんは無い。
家族みたいなもんなんだろう?
きっと、一生切れない。

一生、天敵かもな」


そう、言いミラー越しに先生は、フワリ、と笑ったんだ。






「おら、着いたぞ」



ま、マジか。
話していた時間は、数分の出来事で、ものの速さで気づいたら俺ん家で。


つか、住所とか教えたつもりは無いが。





「俺は先生だよ」



ニヤリと笑う先生。




あー保健医な。




「ーー先生、負けませんから」





どうかーー。








「あーはいはい。
じゃあな」






ゆあが







「こ、、う?」



寝言ーー?




寝言で俺を呼ぶゆあ。





目は閉じて居て、寝ているハズのゆあが寝ぼけた声で俺を呼んだ。


「ゆあ、おやすみ」



君の頬にーー、君の唇にキスをしたい、、


先生が居て叶わないけど、やっぱり幼なじみでいるなんて無理で。



ゆあを幼なじみ以上に見てしまう自分がいる。


バイバイ、と見送った車の運転席には
嫌いなアイツ。


小さくなって見えなくなって行く車を、睨んだ。