「知らないと思った?
んなの、目閉じてたって分かるわ。
バカにすんなよ、赤松。

明日からの合宿だって同じクラスのお前を"信頼"していたからこそ、ゆあを守れって言った。


だけどーーーー辞めたわ」




重い言葉ーーーー。








急にいけない気分になる自分が、居て。
恥ずかしくて、俯いた顔。




「どんなに離れていても
どんなに忙しくても

ゆあのことは俺が守るからーーーー」






顔をあげられない。

自分が恥ずかしくて恥ずかしくて。

好きって感情だけで、ゆあにーーーー
寝てるゆあにキスしょうとしたこと。





好きーーーー。



大好きーーーー。




だけど、、こんなん自分が恥ずかしい。



自分の感情だけで、ゆあにキスしょうとした。

誰も見てないからいいか、なんて軽い気持ちだった。


そんなバカな俺に、先生は冷たい瞳を向けた。




当たり前だ。

自分の彼女が、他の男に傷つけられるとか、ありえない。


自分なら間違いなく殴ってる。


先生は、先生と言う立場とかきっと関係ない。


「ーーーーすいませんでした。
俺、帰ります」



俺は背を向けた。


居たくない。

居られない。




「待てよ」





先生はそんな俺を止めた。


だからって足は止めない。


まっすぐ門に向かってる。





「あのさ、この庭広いから赤松の家まで歩けば6時間はかかるけど、それでも帰るのか?」




ーーーーピタ。





6時間!!?





俺の足は止まった。