「俺には、まだ難しい話だけどーー、だけど龍さん。
これだけは、わかるよ。

俺にはゆあしか無理だから。
小さな時からゆあを見てきた。

ずっと守ってきた。
それがーーーーあんなやつに!!」



思わずキッ、と先生を睨みつけていた。


知らない振りの先生に、気づいてる自分がいた。

先生だから、俺みたいな子供は相手にしない。


だから余計にムカつくし、悔しい。

「俺は、ガキじゃない!
どうしたら、どうしたら大人になれる?
どうしたら、ゆあに好かれる人間になれる?


龍さんっ、教えて下さいっ。
俺、このままじゃーーーー大切なもん、奪われる。




嫌だーーーーっ」







大切なもん。



世界で1番大切なもん。






ゆあ。