「ふむふむ、その可愛い子は?」

身長の高いサングラスをかけた男の人は、私を指さして聞いた。


「シュウさん。
その子は、俺の学校の生徒でーー大切な彼女です」


わっ。。

何だか感動した。
だって先生が、私を大切な彼女って口にしたから。

一気に顔に熱が集まる。


注目度が上がって行く。

「えーーー!?

先生なのに、生徒食っちゃったの!?

ついに、ついにーー童貞卒業か!
おめでとう!!」



ーーーー。。





シュウさんと言う人は、とてもユニークな人だと思う。

人ん家の庭で大声を出すんだから。



まあ、この豪邸じゃ近所には聞こえていなさそうだけど。



「シュウさん、俺まだ童貞です。
ゆあにはまだ、キス以上のことはしてないですよ」



そ、その通りなんだけどーーなんだか改めて言われると恥ずかしい。

また注目度数が上がった気がした。

「マジか、まあ、大切ってことだよな」



"大切"ーーーー。



早いとか、遅いとか、ただしたいとか、そんな言葉で片付けられる世の中になってきた今ーー。



私達みたいな人は、何人いるだろう。

先生を、見たらーー笑っていた。



「はい、大切ですね」




大切に思ってくれる先生が居て、、


この人になら、いつか捧げてもいい、と思えた。