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路地裏、もうここまで来たら人気だって少ない。



誰にも今の表情、見られたくないから。



「ーーッ、なんでっ!!

なんでアイツなんだよ!!

ゆあは、俺の大切なーーーー」









自分がこう悲しい気持ちでいる時、、
ゆあと先生が幸せなんだって
知らせなくても分かっている。




瞼に浮かぶのは、2人の幸せそうな顔。


悔しいーー。



ずっと大切に想ってた子を、いとも簡単に奪われた。



あいつさえ、居なかったらーー。



合宿、絶対にアイツの思い通りにはさせない。


俺はそう決意し、路地裏を出た。









どうか、、
幼なじみを辞めても
幼なじみじゃなくなっても、
"存在"まで消さないで。




好きな気持ちまで、消さないで。。






こん時、自分とは対象的な奴の声がしたんだ。



だからまた、路地裏に隠れて通り過ぎて行くのを待った。



だけどーーーー。





「先生、こんなとこでダメだよ!!」



なんだ?


路地裏は少し暗くて分かりにくい。

聞こえたのは、ゆあのそんな声。

そしてーーーー


暗い中、2つの影が重なったんだ。


あーー。




そっか、だよな。








上った月が、現れて2人を照らした。


月の光で"それ"が鮮明に見えてきた。






嫌だ。




神様は意地悪だ。



俺に厳し過ぎだ。