「合宿、楽しみだな。
ゆあとの合宿、楽しみにしてるから」


煌と、同じ学校。
小さな時からずっと一緒にいた煌との初めての合宿。

学年で過ごす楽しさとーー。



「ーー絶対、渡さねーからな、赤松っ!」




拭えない不安が、同時に襲う。


甘い甘い、いちごパフェの味が
少しだけ溶けかけたバニラアイスと交わって、薄まるのを感じた。

「仲良くしょうよ、先生」



今はまだーーこの場だけは"先生"で居てね。


今日はプライベートだけど。



私は、生徒。



あなたは先生だからーー。

拭えないこれだけは。


「分かってるよ、保健室の先生だもんな。
悪魔先生な」



悪魔だなんて、本当は優しいって知ってる。
知ってしまった。


保健室は癒しスポット。
憩いの場。

癒しスポットに突如現れた保健室の先生は、悪魔先生と謳われてること。


だけど本当は、とても優しいことを知った。

知ったら何も言えなくなる。

「先生は今のままの、先生で居てね」



これ私の本心。


私だけにしか本当の姿見せないで。