「あの、蓮さんの苗字ってーー」


須賀だった気する。

あげはさんの名字は、黒羽。

2人はーーーー



「ああ、黒羽ってーーモデルネームだからっ」



あ、モデルネーム。
要は、芸名的な?

それなら納得。


「ーー見た目は、イケメンだけど中身がね。
ツンツンしてたからね、誰も寄せ付けないオーラでさぁ、口悪いし。
だけど最近、柔らかくなったのよ。

つか、むしろ学校で保健医してるって聞いた日にゃ、ビックリ!!
この頭でさっ」



あ、と気づいた時には頭をわしゃわしゃと犬みたいに撫で回す、あげはさんがいた。


「おい、セット崩れるわ!やめれっ」


たわいない会話。

戯れた暖かい会話に、ほんのり心が暖かくなる。


傍で黙って見ているレイさんは、本当にクールだ。

大人な男性が漂う人。


表情が、コロコロ変わる訳でもない。

不思議に思い鏡越しに、盗み見たら気づかれた。

目が合った。


睨まれもしないけど、不思議な顔で見ている。


ヤバい、怒られるかな?

と、思ったけどーー実に普通だった。







「ーーあげはに可愛くしてもらいな」




そんな優しい声色が、落ちてきた。