そう言われて、以前ゲームセンターに行った時、椿くんにクマのぬいぐるみを取ってもらったことを思いだした。


あのぬいぐるみは今も、部屋に大事に飾ってある。


「よし、じゃあ動物園にしようぜ。決まりな」


椿くんがそう言って、私の頭にポンと片手を乗せてくる。


「うんっ」


それに元気よくうなずく私。


リクエストどおり行き先が動物園に決まって、ますますテンションが上がる。


考えただけでもワクワクしちゃうよ。


「俺、よさそうなところ調べとくから。また決まったら連絡する」


「わぁ、ありがとう。楽しみにしてるね」


ニコニコしながら答えたら、椿くんが私の目を見つめながら頷いた。


「あぁ」


だけど、その顔がなぜだかちょっとだけ寂しそうに見えて、不思議に思う。


どうしてそんな顔するんだろう。


気のせいかな……。



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