彼、隆太くんは椿くんの一番の親友で、いつも一緒にいるメンバーの一人なんだけど、朝の通学電車で椿くんと一緒に会うことがあるから、最近わりと普通に話せるようになってきた。


見た目は派手でちょっと怖そうに見えるけど、中身はフレンドリーでとってもいい人なんだ。


「わーっ、偶然だね! あ、もしかして、塾の帰り?」


「あ、うん。そうなの。今日はちょっと残って勉強してて」


「そっかそっかー、遅くまで偉いな。お疲れ様! てか、もうだいぶ暗いけど、帰り大丈夫なの?」


隆太くんは、私が一人でいると思ったみたいで、心配そうな顔で聞いてくれる。


「あ、うん。大丈夫だよ。一人じゃないから」


私がそう答えると、彼はホッとしたように言った。


「あ、そうなんだ。ならよかった~」


するとそこでちょうど電話を終えた氷上くんが戻ってきて。


「ごめん、お待たせ!」


「あ、氷上くん。電話大丈夫だった?」


「うん。大した用じゃなかったから大丈夫だよ。待っててもらってごめんね」


氷上くんは、隆太くんの存在に気が付くと、私のほうを見て聞いてくる。


「あれ? えっと、友達?」


「あ、うん。そうなの。今バッタリ会って」