「あー最悪。なんかマジで、めんどくさい子のこと入れちゃったかもね」

きっと、エレナは何の気なしに発したんだと思う。

でも、その言葉はあたしの胸に小さな傷を作った。

そもそも薫子を調理実習の班にと誘ったのはあたしだ。

あたしが薫子のことを誘ったりしなければ、二人が先生から呼び出されて嫌な気持ちになることもなかっただろう。

「ホントごめん。あたしが悪いの……」

申し訳なくなって謝ると、エレナはハッとしたような表情を浮かべてブンブンっと首を横に振った。

「ごめん!さっきの言い方、よく考えたら梨沙を責めてるみたいだもんね!」

「ううん、エレナのせいじゃないから。謝らないで?」

「でもさ」

彩乃があたし達の会話に割って入る。

「どちらにしても薫子には注意した方がいいかもしれない」

彩乃の言葉にあたし達は目を見合わせてうなずいた。